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旧耐震マンションの耐震基準審査日記です
今回のマンションは[港南台つぐみ団地14号棟]です。

港南台つぐみ団地14号棟の耐震基準適合審査日記

港南台つぐみ団地14号棟

今回のレポートは、「港南台つぐみ団地14号棟」です。

他の記事をごらんになった方はお気づきのことと思いますが、港南台つぐみ団地は以前に2号棟の審査をしています。 今回の依頼主は、神奈川県全域に営業店舗を展開している三春情報センター様です。 

港南台つぐみ団地は、高度成長期の人口増加に伴い、全国的に開発されたニュータウンの一つです。その昔丘陵地であったところを大規模開発したものです。

建築確認日が昭和50年4月19日ですから紛れも無い旧耐震マンションです。 
旧耐震マンションで耐震基準適合証明書を取得するには、現行の耐震基準に適合する耐震診断書が必要です。 ちなみに、旧耐震マンションを耐震診断するとほぼNGとなります。 クリアーするには、耐震補強設計に基づいた耐震補強工事が必要です。

耐震補強工事を行ったマンションなら、「耐震改修工事証明書」を発行してもらっているはずです。
「耐震改修工事証明書」が有れば、耐震基準適合証明書の発行が可能です。

しかしながら、旧耐震マンションでは莫大な費用のかかる耐震改修がなかなか進んでいないのが実情です。
なので、旧耐震マンションの場合で耐震診断書や耐震改修証明書を持っている管理組合はとても少ないです。
まして、個人の住居売買の節税のために、巨額の管理費を費やすのはとても難しいといえます。

ですが今回の「港南台つぐみ団地」は旧耐震であるにも関わらず耐震改修工事等の不要なマンションです。

耐震改修工事の不要な港南台つぐみ団地

港南台つぐみ団地14号棟

「港南台つぐみ団地」が旧耐震であるにも関わらず耐震改修工事等の不要なマンションの理由は、構造の架構方式にあります。

鉄筋コンクリート増のマンションには大きく分類すると二通りの架構方式が有ります。 一つは普通に見られるラーメン構造と言って、主要な構造体が柱と梁で構成されるものです。 特徴は室内に大きな柱型や梁型があることです。木造住宅と違ってコンクリート構造の柱や梁はとても大きいので圧迫感があります。

他の一つが壁式鉄筋コンクリート造で、一般的なラーメン構造に必要な柱や梁が無く、室内はとてもスッキリしています。柱ではなく壁で建物を支えるので壁式構造というのですね。

この構造は地震にとても強いのです。
先の阪神・淡路大震災の直下型地震では多くの建物が倒壊を初めとする甚大な被害を受けました。
新耐震の建物でも深刻な被害を受けたほどの強い揺れだったのです。 そんな被災状況の中に
あって、ほとんど無傷の建物がありました。 それが壁式鉄筋コンクリートで建てられた共同住宅だったのです。

 

実際の耐震診断をすると、旧耐震の壁式構造のマンションでも多くの場合で新耐震基準をクリアーするのです。
旧耐震の他の構造を耐震診断をするとほとんどがNGになるのとは対照的です。
そのため、5階建て以下の壁式構造のマンションに限って、耐震診断の上で耐震基準適合証明書を発行しているのです。
「港南台つぐみ団地」はその要件に当てはまるわけです。

設計図書の閲覧とコンクリート強度試験

港南台つぐみ団地14号棟

「港南台つぐみ団地」は今回で2回目の旧耐震審査になりますので、設計図書の閲覧やコンクリート強度試験について管理組合様は理解していらっしゃいます。淡々と手続きを踏んで進めることができました。 

ですが初回は結構大変でした。管理組合として今までこのような依頼を受けたことが無く、管理組合の承諾を頂くために理事の方々への説明が必要だったり、コンクリート強度試験の実施に先立ち住民に周知する掲示をしたりと。

承諾の決め手となったのは、なんと言っても「耐震基準適合証明書」が取得できることはマンションの資産価値アップに寄与することでした。 基本的に旧耐震の場合では優遇税制が受けられません。 住宅ローン減税・不動産取得税減税・登録免許税の減税が受けられないのですが、適合証明書を取得できるとそれらが利用できるのです。

優遇税制が利用できると住宅が売れやすくなります。そのために資産価値の評価が上がるのです。
管理組合ではコンクリート強度試験の結果に関心が高いようです。基準値をクリアーしたことをお伝え
するととても喜んでおられました。

さて今回の強度試験も当該マンションの対象住宅のPSにて実施しました。 
今回も多少のばらつきはあるものの全ての数値が基準値を上回っておりました。耐震診断の結果と合わせて
適合証明の審査を終了することが出来ました。
三春情報センター様、港南台つぐみ団地の管理人様、買主様、大変有難うございました。

もしもあなた様が検討中のマンションが旧耐震でも、壁式構造の5階建て以下のマンションだったらぜひ
お声掛けください。発行可能な物件か否かを判定いたします。
お電話の一報をお待ちしております。 お気軽にお問い合わせください。



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